第32章 *金米糖の甘さ時透無一郎☆
と付き合って数ヶ月が経った。
柱である僕の時間は貴重だ。
も鬼殺隊の隊士である以上お互い共有する時間は少ないが、それでも少ない時間なりに僕は少しでも長く一緒に居たいし、触れたいと思っている。
けれども彼女はまだ純潔で、汚れを知らない。
早く1つになりたいとは思ってはいても華奢な体を抱き締めたら壊れてしまいそうで、彼女に合わせて
ずっと我慢をしていた。
でもそんな僕もお年頃なわけで。
一緒にいればいるほど、抑える事が難しくなってもいた。
そんな日々が続いたとある非番の日。
たまたま街をふらふらとあてもなく歩いていたところ宇髄さんに声をかけられた。
「よぉー時透、何か悩み事があるんだって??」
『……』
「おいおい…地味に無視するなって、面白い話があるからちょいと俺の家に遊びに来いよ」
呼び止められ声の主を見上げれば、何か企んでるような悪どい顔をする宇髄さんが僕を見下ろすように突っ立ってて。
良からぬ事に巻き込まれる前に
無視を決め込んでそそくさと退散しようかと思ったが、の話だと付け足して言う宇髄さんの後を追う他ならない。