第29章 ぱろでぃ キメツデレラ 時透無一郎
時「~迎えに来たよー」
『あ、あれ??もう無一郎君ついたの?』
時「何食べてるの?そんなに頬張って…とても可愛いね」
屋根裏部屋で、サンドイッチを頬張る彼女にそっと近づいた。
もぐもぐとまるで小動物のように食べる彼女はとても可愛らしく
幸せそうに頬張る彼女をもっと見ていたいけど、その手を重ね合わせる。
時「ねぇ、僕のお嫁さんになってよ?毎日美味しいもの食べさせてあげるから」
『本当に?!…あ…王子様、私は見ての通り古着を着たみすぼらしい女です。財産なんて特になく何の魅力もございません…このガラスの靴も合うかどうかも…』
真面目なは物語を進めようと台詞を言うが
僕の告白は本気だし、そもそも他の人達も物語そっちの気で各々やりたい放題だ。
ナレーションを務めた炭治郎でさえ、今は伊黒さんと遊んでるし。
時「…ねぇ…この靴があったら僕のものになってよね?ずっと一緒だからね?」
彼女の足にそっと僕の手を添えて
ガラスの靴を履かせる。
ぴったりと彼女に合う靴は太陽の光を反射し、キラキラと輝いていた。
古着を着てる彼女なのに、
その光がとても眩しく、
綺麗な彼女をまた一段と素敵に染め上げる。
時「これでは僕のだからね?
ほら、他の人ほっといて美味しいもの食べに行こ?
」
『えっ?えっ?
無一郎君??』
戸惑うににこりと笑い。
その手を引っ張る。
煩く騒ぐ人の門を潜り抜け、お城へ向かう僕達。
赤く染まる君の頬に、僕の恋心もこの物語と同じくハッピーエンドを迎えるかなと思えば
熱を持った握った手を更にギュッと握りしめた。
ガラスの靴がなくても、君の事は必ず見つけるけどね。