第1章 *伝えたかった想いと叶わぬ願い 時透無一郎
『…っあ…んっ…ダメッ…っ、っんぅ』
「…ダメじゃないでしょ?良い、でしょ?」
下から突き上げれば、少女は淫らに喘ぎながら
快感に頬を染める。
動く度に形のよい双丘が上下に揺れ、誘われるように赤く色づいた頂を口に含み、抽送を加速させる。
『っ…ああっ…は、激しっ…んぁっ…ああァあん
っ』
少女は、その快感に耐えきれず徐々に頭が白く霞んでいく。
「は激しくないとっ…イけないでしょ?
」
柔らかい腰を掴み、一番気持ちいい箇所を攻めあげる。
すると少女は、一際甲高い声を発し身体をビクつかせながら少年の名前を口にし果てた。
「…っ…(僕は有一郎じゃないっ…)」
――――
今日もいつもと同じ。
鎹鴉に案内され向かえば鬼退治。
今日は何体、鬼の頸に刃をいれたのか。
そんなことは今の僕にとってどうでも良かった。
『お帰りなさい、有一郎』
「…ただいま」
屋敷へと戻れば、いつものようにの優しい声が僕を出迎える。相変わらず、僕の名前を間違えてる彼女は
ニコニコと可愛らしい笑みを僕に向け、ご飯もお風呂の準備も出来てるよと、疲れて帰ってきた僕にどちらを選んでも良いように気遣ってくれる。
「なら、汗もかいて気持ち悪いし…先に湯浴みでもしようか」
『うん、その後直ぐにご飯食べるでしょ?温めとくね』
「ふー…」
お湯に浸かりながら、ため息を溢せば白い息が天井に上がっていく。その様子を目で追いかけながら彼女の事を考える。
どうしてこうなったのだろうか?彼女とは幼馴染みで
、兄さんと僕はいつも彼女を取り合っていた。
彼女に少しでも良いところを見せようと、振り向いてもらおうと色々アピールしてたっけ…
それでも彼女は僕と兄さんどちらも好きって屈託のない笑みを向けるものだから、はっきりと決められなかったんだけども。
ある日突然、好きだって告白されて…、やっと気持ちが通じたと思ったら…
あの日に邪魔され離ればなれになったんだよね。
記憶を無くした僕はもちろん、彼女の事も忘れていた。頭の中の霞が邪魔をして彼女の事を思い出せなかったけれど、炭治郎のお陰で記憶を取り戻したあとは、直ぐに彼女に会おうと記憶を便りに足を向けた。
彼女はすぐに見つけられた。
笑顔は昔と変わらず輝いていて、けれど彼女の頭の中僕との記憶はなくなっていた