第21章 *夢見心地のお姫様2 時透無一郎☆
お伽噺には続きがあって、王子様に巡り会えたお姫様は小さな幸せを掴んだ。
それで終わりではなく甘くそして刺激的な毎日が始まる次章へと続くのだ。
「えええええ?!」
『しっ!静かにして!』
時透君と付き合って早数カ月。
二人の進展はというと、登下校一緒、昼食も一緒で二人の時間を共有する事が多くなった。
そんな私にある1つの悩みがある。
「いやいや、だって…リアクションは大きくなきゃ…で、何だっけ?」
親友よ…確かに素っ気ない態度だったらつまらないけどさ、リアクション大きければいいってもんじゃないよ。
『時透君に…今日家来る?って!!!』
「…で?」
『え、だから家に呼ばれて…』
今日1番の悩みを打ち明けると、親友の千秋は至極どうでもいいような冷めた眼差しをこちらに向け
これまた嫌な顔包み隠す事なく盛大なため息をもついた。
そして、千秋は普通でしょと詰まらなさそうに返した。
『いやいやいや、密室で二人きりよ?!』
「はぁー…そーいやあんたしょ『もんげー!!!』
…純情な心をお持ちのようで」
つい変な奇声をあげてしまった。
クラスメイトは何事かとこちらに視線を向け、直ぐ様笑い声があちらこちらへと鳴り響いた。
バッと視線を後ろに向ければ時透君と視線が合いくすりと笑う。
恥ずかしさで顔から火が出そうだった。
授業もいつも通り変わらず、大してちゃんと頭に留めることもなく淡々と過ぎていった。
真面目に受けてはいるつもりだけれど、授業内容そっちのけで頭を占めるのは時透君の事。