第3章 *鬼になった女の末路 竈門炭治郎
「水の呼吸…壱の型っ…水面切りっ!」
腕を交差させながら刀を水平に勢いよく振り切る。
鬼の頸は円を描きながら、地面へとポトリと落ちた。
「…はぁはぁ…」
そこそこ強い鬼だった。
痛めた足を引き摺りながら、禰豆子が入ってる木箱を背負う。
今日も有力な手がかりは見つからない。
妹を人間へと戻すべく足掻いているが、鬼達は自分勝手で至福を満たすために人間を襲うだけで、現状打破できないでいた。
「…っ?!」
血の臭いだ…あまりにも強烈な臭いで、鼻が曲がりそうだ。
炭治郎の額から冷や汗が伝う。
余程強い鬼なのだろうか…
でも、逃げるわけにはいかない。
そう自分を奮い立たせて、血の臭いのする方へ歩みを進めた