第20章 *パンドラの箱に残された物 時透無一郎
本気の恋だった。遊びでもなく誰がなんと言おうと正真正銘紛れもない純愛。
分かっていた教師と生徒はそれ以上高望みしてはいけないことを。
それでも先生への気持ちを抑えきれずついに教師と生徒の粋を越え関係を持ってしまった。
『っ…あっ坂田先生っ…』
「はぁっ…」
『良いっ…もっとっ…』
それを、ちょっとした油断の隙に彼に見られてしまうなんて。
放課後、クラスメイトの時透君に呼ばれ部活が終わった後私は指定された教室へと足を進めた。
教室に入れば時透君が自分の席に座り私を待っていた。
『時透君、お待たせ…私に何の用かな?』
時透君とはそんなに話したこともなく、ただのクラスメイトに過ぎない。
時透君と席が隣な私はたまに話す事と言えば教科書忘れたから見せてとかそんなもんで大した内容ではない。
それなのに話ってなんだろうかと首を傾げる私に時透様は携帯を私に渡した。