第19章 *寵愛 時透無一郎☆
『496…497…498…499…500っ!!』
柱稽古の真っ只中、は宇髄に合格を告げられ次の柱、時透無一郎の元へと訪れた。
予定の時間より早めについて自主練を決めたは木刀を手に持つと、一人近くにある静かな竹林へと入り素振りを繰り返していた。
『はぁはぁ…まだ駄目…これでは無一郎様の継子としてまだまだ未熟…もっと頑張らないとっ…』
「、ここに居たんだね」
『師範っ!』
息を整え、素振りを再開させようと木刀を持ち直したの後ろからカサカサと草木をわける音共に姿を表したのはこの土地の主でもある無一郎だ。
「自主練?は偉いね流石僕の継子だ
他の隊士にも見習ってほしいよ」
『私なんてまだまだです…前回の任務でもそう…鬼の頸切るのに深傷を負ってしまいました』
悔しそうに下唇を噛み締めるに無一郎は暫く考えると、地面に転がった棒切れを片手に持ちに向かい合う。
「なら、僕が柱稽古の時間まで付き合ってあげるよ」
『そんな、師範の時間を割いてなんて』
「つべこべ言わずほら、構えてっ!!」
カンカンと棒がぶつかる音、弾く音が静かな竹林に響き渡る。
間合いをつめて、無一郎へと攻撃するもひょいっと身を翻してはなんなく躱された。
「うん、前よりいい動きになってる…そう、その調子…足に力を込めて…うん、いいよ」
『っ…はぁっ…はいっ!!』
無一郎の言われた通り体を動かし、動かす足に力を込め、木刀を持つ手を握り直し無一郎へと何度も挑んだ。