【第五人格】ある日の荘園【I dentity V】
第4章 Afternoon Tea 【イソップ・カール】
……同時刻。廊下にて。
謎の人影が3人、キッチンの少し開いたドアから中を覗いていた。
「どうだ?上手くいっているか?」
「順調そうなの!」
「ふふ、良かったわ。相談された時はびっくりしたけれど…」
「まさか、あのカールの口から女性と仲良くするにはどうすればいいか?なんて聞けるとは思わなかったよ。」
「誰だって恋はするものなの!マーサ!」
「ふふ、そうね。エマさん。」
エマ・ウッズ、ウィラ・ナイエル、マーサ・べハムフィールの3人で、2人の事の行方を知るためにこうしてここにいるのだ。
「でも、クライシスはとても手際がいいからすぐに会話も終わっちゃいそうね…」
「すっごくいい匂いなの…クライシスのお菓子が大好きなエマにとっては、拷問なの…」
「!いいことを思いついたぞ、2人とも。」
「?」
「?」
「これで砂糖をまぶせば…ラスクの完成です!」
「…美味しそうですね…」
「ふふ、本当に簡単なものでしたからすぐに終わりましたね。
向こうの部屋のダイニングにお運び致しますので、待っていてくださいますか?」
「はい、お願いします。」
そして、イソップ・カールが室内にあるドアからダイニングへ向かったのを確認すると。
「イソップ・カール!」
「ひ、っ!?」
「こんにちはなの!」
「な、なんの御用ですか。3人揃って…」
「カールさん。耳を貸してくださる?」
「…え。それって皆さんがクライシスさんの菓子を食べたいだけでは…」
「ね?いい案でしょう?」
「とってもいい案なの!」
「なら、よろしく頼むぞ!」
そう言って、何故か3人はイソップ・カールの目の前に着席した。
「お待たせ致しました!あれっ」
「クライシスごめんなさいね、突然。」
「3人でお茶をすることになってな、至急菓子とお茶を用意して欲しいんだ。」
「へ、ええと…」
「エマ、クライシスのお菓子大好きなの!」
「あの、カール様…」
「…どうぞ、至急の…様ですので…優先させてください」
「なんて優しいんだ、イソップ・カール!」
「本で見た王子様みたいなの!」
「あながち間違いではないかもしれないわね…!」
「……っ…」
「ありがとうございます、カール様…!そのよろしければこちらを。ラスクです!カップを2人分お持ち致しますね!」
「ありがとう、クライシス」
