【第五人格】ある日の荘園【I dentity V】
第3章 探鉱者の性(サガ)【ノートン・キャンベル】
気づかない。僕だけのものに、と言ったあの顔は…明らかに欲にまみれていたのを。その矛先は空想の宝ではなく…彼女に向けられたものだということも。
「なら、掃除が終わりましたので…私はこれで失礼しますね!」
「ああ、待って。」
「わ、っ」
その場を立ち去ろうと、踵を返すクライシスの手を引き。
「き、キャンベル様…?」
「…ノートンって、呼んでよ。呼び捨てが無理なら、さんでいいからさ。」
「ノートン…さん…?」
優しく、手を取り直して笑顔を向ける。
「ええ、その方が…友人として距離が縮まったように思うから。ね?」
「は、はい!」
「…早速で、悪いんだけど…クライシスさん。お願いが…あるんだ。」
「はい、私に出来ることならなんでも仰ってください!」
「…ありがとう、今夜…部屋に来て貰えないかな?相談がしたくて。」
「相談…!私なんかでよければ!」
「なら、お願いします。待っているから。」
「はい!承知致しました!お伺いしますね!では、失礼します!」
いくら生物は人に捕えられるといっても、逃げることが可能です。しかし…鉱石は逃げることは出来ません。採掘されてしまえば…持ち主の思い通りにされてしまう。
「…やっと…手に入る。」
彼のような、探鉱者に。