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バトルをする君が好き

第3章 番外編


ナックルシティに鐘の音が響き渡る。今年の成人たちは無事式を終えたようだった。俺はふぅっと書類から視線を外し、外を見た。ローズ委員長が自首してからもうそんな月日が経つのかとしみじみと思う。あのあと、俺はローズタワーをバトルタワーへと改造した。より、ガラルの光を輝かせるために。俺の判断は間違いなかったと思う。その証拠に、ガラルでは強者がどんどんバトルタワーへ集まり、日々切磋琢磨し合っている。

「………そろそろ来る頃だろうか」

ユイとは、あのガラル全国民の前での告白からバトルタワーで何度も顔を合わせている。一時期、マスコミは面白おかしく囃し立てたが、そんなもの俺が許すはずもなく全て揉み消した。すると、世間は徐々に忘れていき、今ではそんな話題すら起こらない。

「…ふむ。式が終わったら、真っ直ぐ俺の元へ来ると思っていたが…見当違いだったか?」

あの告白から数年。彼の心はこの数年で変化したのだろうか?

「まぁ、逃がしてやる気はサラサラないがな」

これだけ待ってやったんだ。心変わりしてようものなら、あらゆる手を使って取り戻すさ。幸い、俺は元チャンピオン。その上、ローズ委員長から引き継いでいる物も様々ある。

「………頼むから、俺に犯罪に手を染めさせないでくれよ」

俺は俺の後ろに立つ少年にそう呟いた。振り返れば、記憶の中の彼より背は伸び、大人びた様子のユイの姿があった。
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