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〜宵の中、蜜に酔う〜 《短編集》R18

第9章 歪んだ愛情




先輩と別れた日から、毎日が幸せだ。

モノクロ世界に色がついたように。止まっていた時計の針が動き出したかのように。


今まで当たり前と思っていた生活がこんなにも幸せだったなんて…!





「じゃあねー、またあした!」

「うん!バイバイ!!」


友達に別れを告げ、帰路へとつく。


「はぁー、楽しかったなぁ…」


今まで友達と遊ぶ事さえ許されなかった。やっぱり、先輩と別れて良かった。



「…そういえば…。」


あの日から、先輩の姿を見ていない。

…私と別れたのが原因だろうか…。


「大丈夫、かな…?」


あんな最低なことをされてきた人を心配するなんて、やっぱり私はお人好しなのかもしれない。


その時、後ろから誰かに抱きしめられた。



「なっ…!だれ…んっ!!?」


後ろを振り返る前に、布で口を覆われる。

すると、猛烈な眠気に襲われた。



「っ……」




(誰か……たすけて……)



視界がぼやけ始め、ついに意識が途切れた。







「ふぅ…」


莉亜を襲った犯人が安堵の息を吐く。



「会いたかったよ…俺のプリンセス…」





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