第4章 誘拐するならあの人も
「あ…なんかあると思ったら莉亜か…。ごめん色々触っちゃってたかも」
「……ふ。」
「…めっちゃ柔らかかったんだけど、スクイーズでも持ってきてんの?」
「…………っ」
顔に一気に熱が集まる。
(はっ、何っ?私のおっぱいって柔らかいの?!え、恥ずっ!)
嬉しいような恥ずかしような複雑な気持ちに悶えていると、急に視界が明るくなった。
そして身体を持ち上げられる。
どうやら、目的の場所につき、運ばれているようだ。
ヒヤリとお尻に冷たくて硬い何かが当たる。
木か何かの椅子に座られられたようだ。
そして隣からドサリと重さのあるものが地面に落とされるような音もした。
「って…」
音の正体は裕貴のようだ。
「おーい!早くこいよォ!酒なくなるぞー!」
少し離れた場所から男達の声がする。
どうやら私達を運んできた男は一人のようだ。そして、それが男達のリーダーだと言うことに、声で気づく。
「逃げんなよ?…まぁ、この部屋に鍵をかけるし、無理矢理出ようとすると電気が流れるから無理だろうがなぁ!あぁ、そうだ…」
「…んぐっ!?」
何かを口の中に押し込められる。
「じゃあな。」
男は大笑いして仲間たちの元へ歩く。
(一体何を……?)
毒ではないようだからまぁいいが。
男が言ったことは嘘だ。ここはどこかの廃工場だろう。そんな所に、あんな素人同然の奴らが電気を流したりなど出来るわけない。
恐らく脅し。しかも私達二人にしたのは、気を使ってくれたのだろう。
(なかなか気ぃ利くじゃん?)
それにしてもここは暑い。さっきからやけに苦しい。なんだかクラクラする。
「う…っ」
横になりたいが、椅子に縛られているせいで動けない。
「ん……うぅ……っ」
「…莉亜……?」
私の異変に気づいたのか、裕貴が駆け寄ってくる。