• テキストサイズ

〜宵の中、蜜に酔う〜 《短編集》R18

第4章 誘拐するならあの人も





「えー?やだ。」


笑顔で答えると、男達の顔から生気が抜けていく。


「そ、そんな……」


「そもそも、こんな車、やろうと思えばいつでも逃げれたし。あんた達を潰して。そうしなかったの、なんでか分かる?」


「い、いえ……」

「私を犯すんでしょ?ねぇー、気持ちよくさせてくれるんでしょー?でもさ、ハジメテは好きな人がいいのよねー。そこにちょうど好きな人が現れたんだからさ、チャンスじゃん?」


「は、はぁ…。」


「だからさ?誘拐するならあの人もして。処女じゃなくなったらいくらでもするからさ。何Pでもいいよ?──してくれるよね?じゃないとパパに─」


「やります!やらせてください!」


「うん!契約成立ね!」



男達に、自分の身体を縄で縛ってもらう。そして、故意な誘拐と思われないように、男達にも自分を雑に扱うようにしてもらった。
そしてテープで口を塞いでもらう。

…準備は万端だ。



「あのー、道聞きたいんですけどー!」


私を誘拐した時と同じように、運転席に乗っている男が路を聞くふりをして裕貴を呼び寄せる。


「なんです───っ!?」


裕貴の口が男の手によって塞がれ、車の中に押し込められる。



「んっ、んーー!!」


塞がれた口で必死に声を出す。


「は…?莉亜……っ?」


私の声に気づいた裕貴が目を見開く。

塞がれた口で何かを言おうした瞬間──


「悪いが、ここからは企業秘密でな。」

目隠しをされて、どこか狭いところに入れられた。

「ん……っ」

雑に扱えとは言ったが、随分と雑に扱うものだ。何気に痛い。

ここはどこか。目隠しして何も見えない上に縛られて動けない。身をよじってみると、温かいものに肌が触れた。

その触れた何かが、身体を這い上がってくる。
そして柔らかいふたつの丘まで来ると、それが何の感触かを確かめるようにやんわりと揉みしだく。


「ふ……っ、んんっ…」



(手……!?)


初めて人に触られる感触がくすぐったくて、その手が伸びる方へ身体をぶつける。


「いた……っ、…莉亜…?」


「ふ。」


名前を呼ばれ返事をする。どうやら隣にいた相手は裕貴だったようだ。


/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp