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青空の彼方【ダイヤのA】

第20章 一線・倉持※裏


久々に食べる真琴の料理は本当に美味かった。

二人で過ごす時間も本当に久しぶりで。。。

話す内容はいつもと変わらないけど、すごく懐かしいような…

でも、どこか落ち着かないような不思議な時間だった。


洗い物をする真琴の横で俺は皿を拭く。

「洋一が手伝ってくれるなんてね~」

「なんだよ。俺だって寮にいてこれくらいやるんだよ。」

「ふふっ。でも、いいんだよ?ずっと練習と試合で疲れてるでしょ?ゆっくりしてていいんだよ。そのために帰ってきたんだし。」

「いいんだよ。そんなやわな身体じゃねーし。それに疲れてるのはオマエもだろ?オマエも毎日練習してんだし。」

「そうだけど。。。洋一は秋大優勝だよ!次は甲子園だよ!」

すっごく嬉しそうに俺を見上げる真琴。

「ばーか。次はオマエだろ。なんだっけ?ウィンターカップだっけ?それ出るため頑張ってるんだろ?」

「うん、そうだけど…」

俺はそっと真琴を抱き締めた。

「よ…洋一?」

「疲れたなんて言ってらんねーよ。次は甲子園だからな。」

真琴を抱き締める腕に力を込める。

「約束…」

「えっ?」

「甲子園に連れてく約束。」

「覚えてくれてたの?」

腕の中の真琴が俺を見上げる。

「当たり前だろ。でも、連れてくだけじゃない。甲子園で一つでも多く勝つんだ。」

「うん。。。ずっと応援してるからね。」

「おう!俺も真琴のこと応援してるからな。」

「うん。洋一にも負けないんだから!」

「なんで俺なんだよ!」

「え~?いいでしょ。」

悪戯に…でも優しく笑う真琴にドキッとさせられる。

「真琴ーーー」

俺は真琴の頭に手を添える。

「よー…いちーーー」

何か言いかけた言葉をキスで塞ぐ。

「んっ。。。」

少し驚いた様子だった真琴もすぐに俺の背中に腕を回して抱き締め返す。

何度も何度も角度を変えて真琴の唇を貪る。

少し苦しいのか背中に回された手が俺のシャツを掴む。

息継ぎに一瞬離れ、開いた唇の隙間に舌を差し込む。

「んっ…んんっ…」

逃げる真琴の舌を追い回していると、一瞬フワッと真琴の力が抜けた気がした。
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