第15章 君がいない・倉持
「「あっ……」」
真琴と鉢合わせた。
「あ~…なんか久しぶりだな。」
「うん…そうだね…明日の決勝頑張ってね。」
真琴はそれだけ言うと俺から目を反らし去って行こうとする。
はっ!?それだけかよ??
他に言うことねーのかよ!?
「おっ…おい!真琴。。。」
俺は慌てて後を追う。
「なぁ!おい、待てってば!」
真琴の手を掴んで、すぐそばの空き教室に連れ込んだ。
「ちょっと…何すん…」
驚く真琴を後ろから抱き締めるーー
「お前は…平気なわけ?」
「………」
「2週間も会えなくて…お前は平気なわけ?」
真琴を抱き締める腕に力が入る。
「…俺は…もう無理。。。」
「えっ……?」
「充電…切れそう。。。」
そう言って真琴の肩に顔を埋める。
「……っ///」
黙ったままの真琴がそっと俺の腕に触れる。
「ズルイ…そんなこと言われたら…もう何も言えなくなるじゃん。。。」
「えっ?」
俺は真琴を抱き締めたまま顔だけ上げた。
「平気なわけないでしょ…バカ。。。修学旅行とかさ…」
真琴はうつむきながら話す。
「ちっちゃい頃からの思い出も…学校の思い出も…今まで全部洋一と一緒だったんだよ?」
俺に触れてた手に力が入る。
「洋一がいない修学旅行なんて…つまんない…寂しかったよ。。。こんなに会えなかったのも初めてだったし。。。」
真琴はくるりと振り向きーー
「会いたかったよ…!!」
そう言って俺を見上げる。
「とっくに…充電切れだよ。。。」
そう力なく笑う真琴をキツく抱き締めた。
「バカ…なんで素直に言わねーんだよ。そんなになるまで我慢すんなよ。」
「何よ。。。元はといえば洋一が女の子の前でカッコつけたりするからでしょ。」
「はっ?いつだよ?」
「…修学旅行の前の日…試合の後……」
最後に真琴に会った日。。。
あっ!沢村の幼馴染みに会った日!!
「ヒャハ♪お前…それってヤキモチ妬いてんの?」
「~~っ///バカ!」
俺を叩こうとする両手を掴まえる。
「バカはお前だろ?」
「何よ。。。」
「俺が好きなのは真琴…お前だろ。。。」
そう言って俺は真琴の唇を塞いだ。