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青空の彼方【ダイヤのA】

第15章 君がいない・倉持


秋大も順調に勝ち進みベスト8決定の試合後、球場の外ーー沢村が女と話している。

若菜か?若菜なのか!?

かっ…可愛いじゃねーか。

何気なく近くを通り。。。

「どうも。」

先輩として挨拶をする。

するとーーいるはずのないヤツの声がした。

「何、あれ?キモッ。。。」

「なんだろうね~はっはっはっは♪」

振り返ると真琴が御幸の隣にいる。

「なっ!真琴、お前も試合だから来れないって…」

「早く終わったから来てみたんだけどね~もちろん勝って。」

ヤバイ…なんか気まずい。。。

真琴に気付いたノリたちが真琴に話し掛ける。

「ベスト8進出おめでとう!あと3つだね!」

何もなかったように笑って話す真琴。

「真琴、もう帰るの?」

「うん、明日からの修学旅行の用意しなきゃ♪」

「そっか~修学旅行か。」

「みんなの分も楽しんでくるからね♪じゃあね!」

そう言うと御幸やノリたちに笑顔で手を振って去っていったーー

一瞬、俺の方を見た気がしたけど目が合うことはなかった。


そのまま会うことも、話すこともなく真琴は修学旅行に行った。



ここだけの話、彼女いるヤツは思い出の共有ができず溝ができるぞ。



去年、俺らと同じく修学旅行に行けなかった先輩の言葉が頭をよぎるーー

「心配だよなぁ?」

「あ?何がだよ?」

振り向くと御幸が意味ありげに笑ってる。

「真琴、修学旅行はノーマークでたくさん告られてるんだろうな~」

「うっせーな。」

そう…アイツはモテる。

俺たちが付き合ってるのも野球部の奴らとか真琴の友達とかしか知らない。

くっそ。。。
こんなに真琴と会わないなんて初めてだ。



やっと修学旅行から帰ってきたかと思ったら、次の日からの連休…真琴はバスケ部の合宿に行ってしまった。

俺たちはその間も勝ち進み明日に決勝を控えていた。

そして久しぶりに真琴に会えると思っていた。

けど、真琴は教室に顔を出すことはなかった。。。

…ったく、なんで来ねぇんだよ。

しびれを切らした俺は昼休みに真琴の教室に行こうと廊下に出るとーー

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