第14章 黒い誘惑・御幸 ※微裏
秋だっていうのに今日も暑い。
俺は練習後の監督とのミーティングを終えて、やっと寮へ向かう。
あ~、早く風呂入りてぇ…
寮に近付くと何やら騒がしい声が聞こえてきた。
「沢村、てめー!コノヤロー!!」
「我が術中にハマりましたな!倉持先輩!」
またあの二人なんかしてんのか。
なんだかんだ言って仲いいくせに(笑)
「きゃーー!冷たっ!」
えっ?今の声って。。。
「真琴先輩、協力しましょう!二人であの足だけオバケを倒しましょう!」
「あんだと?沢村!やれるもんならやってみろ!」
真琴先輩って…
声のする方へ行くとやっぱり…
真琴が倉持と沢村と水鉄砲で遊んでいた。
「あー!御幸くん、お帰りー!」
「真琴、すきあり!」
「うわ!洋一、ズルイ!」
「ヒャハハー♪」
「ったく…うるせぇよ、お前ら!…てか、真琴まで何やってるの?」
「水鉄砲もらったら、遊びたくなっちゃって。」
無邪気に笑う真琴。。。
「ほら!暑くてももう秋!夕方!部活終わりに、そんな濡れてたら風邪ひくぞ!」
俺は持っていたタオルを真琴の肩に掛けた。
「着替え貸すから、ちょっとおいで。」
「えーっ、このくらい大丈夫だよ?」
「いいから!」
「でも。。。」
「お前らも!秋大中に風邪ひいたら許さねぇからな!」
そう言って、真琴を自分の部屋に連れて行った。
「このくらい平気だよ?ちゃんともう寮に帰るから。」
「いいから。」
俺は部屋に真琴を押し込んだ。
「御幸くん…もしかして、なんか怒ってる?」
真琴が恐る恐る俺を見る。
「よく自分の格好見てみなよ?」
「えっ?……えぇっ///」
Tシャツが濡れて下着が透けている自分の姿に驚き、慌てて手で隠す。
「真琴、そうゆうとこ自覚なさすぎ。」
「はい。。。」
「倉持も沢村も気付いてないだろうけど、ここは男子寮!他の奴等に見られるかもしれないんだからな!」
「ごめんなさい。。。」
しかも、今日に限って黒なんて…俺も初めて見るわ!
「御幸くん?」
「とっ、とりあえずこれに着替えて!」
俺は自分のTシャツを渡した。
「ちゃんと洗濯してあるからな!」