第10章 俺たちの関係・倉持
真琴に好きだと言われた日から2週間ーーー
ビックリするほど今までと変わらない毎日を過ごしていた。
真琴は今まで通り教室にやって来て俺や御幸、鈴村と話していく。
てか!!
俺も好きだって言ったよな?
いや、でも…告白でよく聞く“付き合おう”ってのはなかった…よな?
そもそもアイツの好きは男としてなのか?
「あー!くっそ、わかんねー!!」
思わず声が出た。
「何が?」
「あぁ?何がってーー」
振り向くと真琴がいた。
「うおっ!なっ、なんだよ、真琴かよ!!」
「何がわかんないの?」
俺の顔を覗きこむように、首を傾けてる。
やべーな///おい!
今までなんでもなかった仕草とかが急に可愛く見える。
「ねぇ、ちょっといい?」
「んっ、あぁ…何?」
「こっち!」
俺はモヤモヤしたまま真琴の後に付いて教室を出ていく。
「てか、どこまで行くんだよ?昼休み終わっちまうぞー。」
どこ行くのかわかんねーけど…とりあえず真琴と二人っきりなんて、保健室でのあの日以来か。。。
「ここ。。。」
真琴が止まったとこはーー
「ここって…女バスの部室?」
真琴はチャリンと鍵を見せた。
「キャプテンの特権?」
ニヤリと笑って部室の鍵を開けて、俺の手を引いて中に入った。
野球部の部室と違って、女子の部室は綺麗で汗臭くない。
「てか、俺入ったらヤバくね?」
「んーー」
カチャ…真琴が鍵をかける。
「おいーー」
次の瞬間、トン…と俺の胸に真琴が飛び込んできた。
「おっ…お、おい///」
情けないことに、動揺して固まる俺。
「んー?充電。。。」
「じゅ…充電って、なんだよ?」
「なかなか二人になれないし…洋一これから秋大で忙しくなるでしょ?」
「うん、あぁ…」
「だから…その間も頑張れるように充電。。。」
やっぱり…これって付き合ってるってことでいいんだよな?
俺…抱き締めてもいいんだよな?
ふと、真琴を見れば顔は見えないけど髪からのぞく耳が真っ赤だ…そしてーー
「洋ちゃん…ギュッてして。。。」
「///!!!///」
迷ってた俺…バカみてぇ。
俺は真琴を優しく抱き締める。