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青空の彼方【ダイヤのA】

第8章 伊佐敷純の場合


そう。。。
真琴は同じ先輩でも俺たちと哲では少し態度が違うーー

「あっ!伊佐敷先輩!今日、本持ってきたので、昼休みご飯食べたら屋上でもいいですか?」

「あぁ…おう!わかった。メシ食ったらな!」

「じゃ、後で。」

そう言うと真琴は哲や亮介に頭を下げてから、走って校舎に入っていった。




その日の昼休みーー

飯を食った後、真琴との約束のため屋上へ向かう。

ドアを開けると、涼しい秋の風と共に真琴の後ろ姿が目に入る。

真琴は柵に足を掛けてグランドを見ていた。

「こら!落ちんぞ!!」

一瞬、肩をビクつかせた真琴が振り向く。

「先輩!大丈夫ですよ♪」

柵から降りた真琴がニッコリ笑う。

ちくしょー。。。
可愛いんだよなぁ///

ただ可愛いだけなら、倉持の幼馴染みってだけだったんだけど…

知れば知るほど…サバサバした性格に、女にしとくのはもったいねー運動神経。

でも、ふと見せる可愛い笑顔や仕草のギャップが俺のツボなんだ。

「…先輩?伊佐敷先輩?」

「ん?あっ…おう、なんだ?」

「見てください♪新刊!先輩も読ます?」

「おう!もう買ったのか?読む、読む!」

「私はもう待ちきれず読んだのでどーぞ!」

「サンキューな!」

俺は真琴から借りた本をパラパラとめくる。

「こんな男の子なんて絶対いないですよねー?」

「はぁ?」

「現実こんな優しい男の子なんていないですよ!」

「何を言ってんだ、お前は。」

「私はこの子より、親友の男の子の方が好きだなぁ。」

「あぁ…友達のね。」

野球やってる、無口なアイツね。。。

好きって…いるじゃねーかよ、現実に似たヤツ。

やっぱり…こいつの好きなヤツって哲なのかな。

いつも顔赤くして緊張してるもんなぁ。。。

真琴は横でずっとブツブツとマンガについて語ってるけど、俺は本を読んでるふりをしたまま真琴の話は上の空ので昼休み終了のチャイムが鳴ったーー
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