第7章 倉持洋一の場合
「あら?誰かいるのー?」
保健の先生が戻ってきた。
俺たちは不自然なほど慌てて離れた。
「すいません。こいつ部活のランニング中に倒れたんでベッド勝手に使わせてもらいました。」
「あら、そうなの?大丈夫?」
先生が真琴の顔を覗き込む。
「あっ!俺、部活戻んねーと!」
「あっ…洋一、ごめんね。」
真琴の顔が少し寂しそう。。。
やっべ///可愛いかも///
てか、呼び方…いつも通りに戻ってるし。
俺は声には出さないでーー
「あ・と・で・な!」
と、口を動かすと真琴は嬉しそうにうなずいて小さく手を振った。
マジ、早く部活戻んねーと!
これから益々頑張れそうだぜ!ヒャハ♪
ーーーーーおまけーーーーー
御幸は真琴を抱えて歩く倉持の後ろ姿を見ていた。
「なぁ…鈴村?」
「何?御幸。」
「お前の策略だろ。」
「えーっ?何が?」
鈴村がとぼける。
「お前、こうなるのわかってたろ?」
「んー。。。まぁね。」
「うちの先輩たちにも真琴狙い多いのにさー。」
「てか、御幸もでしょ?」
「とりあえず、お前は真琴ファンを敵に回したな!」
「そんなこと言ったってさ、真琴が選んだのは倉持。二人とも自分の気持ちに気づいちゃったんだから仕方ないじゃん。てか、あの二人の間に入る隙があると思うの?」
「…っ!でもよーー」
「真琴が好きな人がいるって告白を断ってたのは本当だし。ただ…倉持には真琴は“ずっと”好きな人がいるってのは言わなかったけどね~」
「“ずっと”か…てか、あの二人をくっ付けといて、お前!もしかして真琴ファンの誰か狙いだったとか!?」
「はぁっ?」
「もしかして、俺とか?!」
「何言ってんの?てか私、彼氏いるし~」
「へぇ~」
「しかも、大学生♪」
「マジか?!」
「さて、部活に戻りますか~じゃ、またね!」
「おう!じゃぁな。」
そう言って、二人はそれぞれの部活に戻っていった。