第5章 夏合宿
真琴は言いづらそう少しモジモジしている。
「もしかしてトイレ?」
「あっ…はい…///」
「クス…早くしないと置いてくよ?」
「はい!良かったぁ~。」
全く…高校生になっても一人でトイレにも行けないなんて、子供じゃないんだから。
トイレの前で真琴と別れ、自販機で水を買う。
先に帰ったら困るだろうな。
そう思いながら、その場で水を飲む。
「良かった~先輩いてくれた!」
真琴はホッとした顔でフワリと笑う。
不覚にもドキっとする。
そんな顔、他の奴らにもしてるの?
「明日も早いんだから…ほら戻るよ。」
真琴を置いて先に歩く。
「先輩、ありがとうございました。」
「何が?」
「一緒に行ってくれて。」
「別に。俺は水買いに行っただけだよ。」
「そうですけど…私は先輩がいてくれて良かったです。」
また…君は誰にでもそんなこと言うんでしょ?
なんか意地悪したくなるほど気になるなんて…。
真琴の部屋の前に着いた。
「じゃあね。」
「はい!ありがとうございました。」
ドアを開けて部屋に入るのを見て、俺も部屋に戻る。
「小湊先輩!」
小さな声で呼ばれて振り向く。
「ん?」
「おやすみなさい。」
「あぁ…おやすみ。」
そして二人とも部屋のドアを閉めた。