第2章 凛とした強さとギャップ
「えっ、あっ…でも!」
『大丈夫、ちゃんと洗濯してまだ使ってないから♪』
「そういう意味じゃなくてーー」
慌ててこっちを向いた真琴は俺と目が合うとふわりと笑って…
「ふふっ。じゃ、お言葉に甘えて。」
『うん、どーぞ♪』
「ありがと///」
もちろん寒そうなのもあるけど、ショートパンツで隣に座られたら目のやり場に困るのも事実。
「御幸くんとこうやって話すのって初めてかも!」
『そっか、いつも倉持とか野球部の奴いるしなぁ。』
「なんか照れる///女子に人気の御幸くんと二人なんて。」
そう言うけど、ニヤリと笑う顔からは俺を男とは思ってない。。。
『俺こそ、こんなとこ野球部のみんなに見られたら何言われるか。』
「大丈夫だよ~そんなことないって。」
『だ~か~らぁーー』
「うわっ!!」
いきなり真琴が首をすくめて、少し俺の方に寄ってきた。
さっきまであった微妙な距離が急になくなった。
グイっと近づいたときにふわっと甘い匂いが鼻を霞める。
やっべ…なんだ?シャンプーの匂いか?風呂入ったって言ってたしな。
すっげーいい匂い。
「ごめんね。なんか耳もとでブンって音がして…」
『あっ、ちょっと待って…肩に虫ーー』
言い終わる前に真琴が俺のシャツを掴み飛び込んでくる。
『えっ?』
「やっ、やっ!御幸くん、早く取って、取って!!」
『あっ、あ~うん。ちょ…動かないで。』
なんか抱き締めてるような形に俺もドキドキが半端ない///
やっべ…なんかマジいい匂いだし、服のせいもあるのかふわふわ柔らかい。
ふと視線を落とすとモコモコのパーカーの肩が少しはだけてキャミソール越しの胸に目がいく。
落ち着け俺!
俺も健全な男子高校生…これはかなりヤバイ///
「御幸くん、まだぁ?」
困り顔で少し潤んだ瞳で俺を見上げる。。。
これが上目遣いってヤツか///
『大丈夫、取れたよ。』
「ありがとうーー!!!」
真琴はハッとして顔を真っ赤にして俺から離れた。
「っ~///ごっ、ごごごごめんね!」
いや…そんなに慌てなくても(笑)
『虫ダメなの?』
「う…うん。飛ばれると特に。」
ははっ…真琴はやっぱり女の子だよ。
それもすっげー可愛い女の子。