第2章 凛とした強さとギャップ
今日も一日練習が終わり、寮でゆっくり…といきたいとこだが、昼の雑念を払うため走り込んでこようと部屋を出た。
一番賑やかな部屋の前を通り掛かると同時にその部屋のドアが開きバットを手にした倉持が出てきた。
「おう、御幸か。」
『何、自主練?』
「あぁ、まぁな。お前は?」
『ちょっと走ってくるわ。』
「なんか沢村がお前に球受けてほしいって頼みに行くって騒いでたぞ。」
『げっ…それは急いで行ってくるかな♪』
「ヒャハハ♪ひっで!」
『いいだろ。沢村も降谷も俺の都合なんて無視だぜ。』
そんなこと言いながら歩いていると、向かいから女の子が歩いてきた。
「洋一!」
「おっ、真琴。どうした?」
「どうした?じゃないでしょ!荷物持ってくって言ったじゃん!」
「ヒャハ♪そうだった。」
「もう。。。」
口を尖らせて呆れる真琴。
「御幸くんも自主練?」
少しボーッとしてた俺の顔を真琴が覗き込んだ。
『あっ!うん、俺はちょっと走ってこようと思って。』
「そっか。みんな夜も走ったり、自主練したり凄いよね!」
なんだ、これ?
真琴が真琴っぽくない。
いや、いつもの真琴なんだけど……かっ、可愛い///
服…服のせいか!
なんかピンク色のモコモコした生地のパーカーにショートパンツ。
普通なんだろうけど、なんか真琴のイメージになかったとゆうか。。。
「お前、そんな格好でチョロチョロしてるとまたおばさんに怒られるぞ。」
「てか、お母さんいないし♪」
おいおい、また…って倉持はいつもこんな格好見てるのか?
羨ましいな、おい!!
「洋一はバットってことは素振り?」
「あぁ、うん。」
「なんだぁ~どうせなら久々にキャッチボールしたかったのに!」
モコモコさせやがって、抱き心地よさそーー
てか、こんな女らしい可愛い格好してても下着はボクサーパンツなんだよなぁ(笑)
一人そんなことを悶々と考えていると…
「ねぇ、御幸くん?」
『へっ?あっ、悪い。何?』
「ヒャハ♪お前、何考えてたんだよ?」
『別になんでもねーよ。』
倉持の奴、ニヤニヤして見んじゃねーよ。