第2章 凛とした強さとギャップ
ある日の昼休み。
俺はいつも通りこの間の練習試合のスコアブックを見ていた。
「ヒャハ♪相変わらず飽きもしねーで見てんな。」
そう言って倉持が俺の横に来て窓に寄り掛かる。
「お前の友達はスコアブックかよ。ヒャハ♪」
「はっはっは♪スコアブックでも友達がいるだけ羨ましいだろ。」
「てか、ホント二人とも友達いないから(笑)」
振り向くと真琴がいた。
「なんだよ。真琴。」
「いつも二人でいるから、たまには遊びに来てあげた。」
そう言って真琴はニッコリ笑う。
『とか言って~俺に会いに来たんでしょ♪』
「やだぁ~御幸くん、バレちゃった(笑)」
「げっ…お前らキモイよ。」
なんて冗談も言える仲に。
「真琴、今日は遊びに行かないのかよ?」
「うん、まぁ~ね。」
「まぁ~ねってなんだよ?」
あっ…今日はスカートだけだ。
いつも動きやすいからと、スカートの下にハーフパンツを履いてるのに。
だからか。。。
「そうだ!昨日、家から荷物届いたんだけど、洋一のも一緒に入ってたから、今日の夜寮に持ってくよ♪」
「俺のも?全く…ケチって荷物一緒に送るのいい加減やめてほしいよな。」
「まぁ~いいじゃない。寮も近いんだし。」
『じゃ、今日は夜も会えるんだ♪』
「御幸くん、嬉しい?(笑)」
『嬉しい、嬉しい♪』
「なんなんだよ、お前らマジキモイぞ。」
『はっはっは♪ありがとう。』
「だから、誉めてねぇ!」
「ふふふっ。じゃ、夜にね♪御幸くんもまたね♪」
そう言って真琴は教室を出て行った。
『夜、寮に来たら、先輩たちも喜ぶんじゃね?』
「ん、あぁ。てか、アイツなんで純さんや亮さんに気に入られてんだ?」
倉持はまだ知らない。
お前を庇った真琴を。
しかも、あの可愛さにハキハキした性格。先輩たちもすぐ気に入ったんだ。
『ぶっちゃけ真琴って人気あるし、お前心配じゃないの?』
「心配?何が?」
『付き合う奴とか、告ってくる奴とかさ。』
「ヒャハ♪アイツと付き合う奴とか逆に見てみたいわ。」
『てか、マジ狙ってる奴多いだろ。』
「そうか?あんな毎日男に混じって遊んでる奴だぜ。ヒャハ♪ないない(笑)」
こいつ…普段は人のことよく見てるのに、真琴のことは鈍いのか?