第3章 ◆再会(大倶利伽羅)
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大倶利伽羅さんは壁に背をつけて立て膝をつき、ベッドの上で座っている。
力尽きた私は、彼が倒している方の足を枕にさせてもらい、横になっていた。
優しく髪を撫でてくれて、そこから秘められた愛情が感じられた。
「……すごかったです…気持ち良かった…」
「…そうか」
サービス心から正直な感想を伝えてみた。
素っ気ない返事だが、どこか嬉しそうにも感じる。
するとそれもつかの間、彼はベッド脇にあったタバコの箱に手を伸ばしたのだ。
「タバコ吸うんですか!?」
私は勢いよく体を起こし、彼の腕を掴んで大きな声を出した。
そんな私に彼は驚いた表情をして、ビクッと肩をゆらす。
「…あ、ああ…たまに…」
「駄目ですよ! こんな食生活でタバコまで吸ったら体壊しちゃいます! 昔と違って、誰かが手入れしてくれるわけじゃないんですからね!」
そこまでガミガミと喋った後、私はやっと、自分は彼女面して何を言ってるんだと恥ずかしくなり、下を向いた。
彼女、か……。
彼女にしてくれるのかな………。
すると大倶利伽羅さんはタバコをゴミ箱へと放った。
私の顎をすくい、優しい表情で額をつけてくる。
「…大倶利伽羅さん…」
「…なら、これからもあんたが手入れをしてくれ」
生まれ変わってやっと叶った恋。
私たちはいつまでも、キスをしていた。
◆「再会」 完◆