第2章 ◆大切な人(膝丸)
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翌朝──…。
加州さんに事情を話し、また近侍を膝丸さんに戻してもらった。
加州さんは最初から分かっていたようで「じゃあ仲直りしたんだ?」と笑っていた。
私たちはこれを機に、と思い、本丸の皆さんにも私たちがお付き合いをしていることを話すことに。
「やっぱりねぇ。そうじゃないかと思ってたよ。僕といてもいつも君の話ばかりしてるから」
髭切さんにも二人でお伝えに行ったとき、彼は笑いながらそう暴露した。
「兄者っ…」
「弟と恋仲ということは、僕とも兄妹になってくれるのかい? それは楽しいなぁ。ねえ、脚丸」
「膝丸だ兄者! 名前を覚えてくれ!」
「ふふふ…。でも、顎丸や肩丸より近づいてきてますよ。惜しかったですね」
「主! そういう問題ではない!」
大切な人のいる本丸は、今日もとても平和です。
◆「大切な人」完◆