第4章 麻に連るる蓬
「心配して、さっきの授業のノート貸してやろうと思ってたのに!!それで、理緒ちゃんとも仲良くなろうとしてたのに!!!」
下心がそのまま口から漏れている。
どう反応していいのかわからず、善逸の勢いに気圧されて理緒は呆然とする。
「善逸、落ち着け。理緒も困って──」
「理緒!?理緒だァ!?いつの間に名前を呼び捨てにする仲になったんだよ!!!さっきか!さっきだろ!!二人で授業サボって何してたんだよォォォ!!!」
すごい圧だ。宇髄先生に見つかったときよりも、面倒である。
先生は咎めることもなく、あんなにもあっさりとしていたのに、クラスメイトがこれほど騒ぐだなんて、おかしな学園だな。
そう思うと、自然に笑みが溢れていた。
とても、久しぶりに笑った気がする。
この学園でなら、もしかしたら楽しく過ごせるかもしれない。
そんな希望を理緒は胸に抱いた。