第3章 合縁奇縁
担任の冨岡先生と教室へ向かう。
教室内はがやがやしていて、賑やかな声が廊下まで響いていた。
冨岡先生が扉を開けると同時に、先程までの喧騒が嘘のように静まる。
冨岡先生に続いて、理緒も教室へと足を踏み入れた。
「ねえ!見て!!転校生!!転校生だよ!!!」
明るい髪色をした我妻善逸が、理緒を見るなりそう叫ぶ。
「善逸!静かに!!」
隣の席の耳飾りをした竈門炭治郎が、善逸をたしなめる。
「これが静かにしてられるか!?女の子だよ!?女の子!!」
「それは見ればわかる!」
炭治郎の呼び掛け虚しく、善逸は鼻息を荒くするばかり。
「黙れ」
と一言、冨岡先生が発すれば、
善逸は「は、はい……」としぼんだ声で返事をして黙る。
教室は静けさを取り戻した。