第14章 仮説検証
*主人公side
勝己が医務室を出て行った数分後。
私はぼろぼろの体をなんとか奮い立たせて、ベッドから起き上がった。
鏡の前で軽くストレッチをしていると、首元の違和感に気付いた。
制御装置、もとい、チョーカーにギリギリ隠れて見えない位置に、赤い痕がついている。
あれ、首にも怪我してたっけ。
普通にしてたら気付かなかったけど、良く見ると痣ができている。
鏡に近づいた私は——その瞬間、頭が真っ白になった。
.....待て待て待て待て、
これ.....もしかして.....
『キスマーク.......!?』
勝己にチョーカーをつけてもらった時の痛みはこれのせいか...!
気付いた頃には既に時遅し。
鏡に映る私は、顔だけでなく耳まで真っ赤になっていた。
私の首もとを見ながら、当分外すんじゃねぇぞ、と不適な笑みを浮かべていたヤツの顔が脳裏に浮かぶ。
『こんなの....消えるまで、外せないじゃん....!』
私の恨めしそうなひとり言は、誰もいない医務室に静かに消えていった。