第13章 蟠り
*主人公side
「おーう、なんか大変だったな悪人面!」
「組み合わせの妙とは言え、とんでもないヒールっぷりだったわ爆豪ちゃん」
「うるっせぇんだよ黙れ!!」
お茶子との試合を経て2回戦への出場を決めた勝己は、観戦席に戻ってきて早々、クラスメイト達に悪態をつきながら不機嫌そうに私の隣の席に腰を下ろした。
『おつかれ』
「....んだよその顔」
『いや〜、あの爆豪さんが珍しく翻弄されてたから、見ててすごく爽快だった!』
「殺されてぇのか」
いつも意地悪をされるのでここぞとばかりに仕返しを試みたけれど、
鬼の形相で片手で両頬を掴まれた。
『いひゃいいひゃい。冗談だって。』
なんとか彼の手から逃れたけれど、頬の掴まれた部分がジンジンと痛む。容赦ねぇ。
『そんなことより、次はいよいよデクくん達だよ』
「うるせぇ」
『ねぇねぇ、どうなると思う?』
「.....,...」
『なんかさ、デクくん、勝ち進んできてるから実力はあるんだろうけど、正直....個性がよくわかんないんだよねぇ。
戦闘を見た感じ明らかにパワー系の個性なんだろうけど、初めて会ったときは無個性だって自称してたくらいだし、全貌が掴めないなぁ。
勝己、幼なじみでしょ?何か知らないの?』
「.知らねぇし、あんなクソナードの個性なんて興味ねぇ。
あいつが何を隠し持ってたところで、俺が捻じ伏せるだけだ。」
『完膚なき1位、ってやつか...勝己のその考え方、超良いよね!
ただ勝つだけじゃなくて、常にトップを目指してるっていうか。
素直に尊敬するよ。』
「....んだよ急に気持ちわりぃな。黙って試合見ろや。」
頭を掴んで無理やり視線を前に向けさせられた。
なんだこいつは、プライド高いくせに褒められ慣れてないのか。