第10章 確執
*主人公side
第一種目の障害物競走の結果は、なかなか予想外のものだった。
1位はまさかのデクくん、
2位は焦凍、3位は勝己。
私はというと、なんとか10位以内に入賞。
無事に予選を通過できて、ほっと胸をなでおろす。
次の第二種目は—騎馬戦だ。
名前だけを聞くとザ・体育祭という感じがするけれど、ここは雄英高校。
競技中に個性を使用し放題なので、普通の騎馬戦とは全くワケが違う。
その上、第一種目での順位をもとに、自分の持ちポイントが割り振られているらしい。
チーム編成の時点で、どの個性とポイントを取捨選択するか、戦略性が求められる仕組みになっている。
私の個性・電気は汎用性が高くて使いやすいこともあり、
同じクラスから他のクラスまで、様々な人達がチームに誘ってくれた。
そんな中、私が選んだのは焦凍・やおもも・飯田くんのチーム。
私を含む推薦入学者3名と、エリート家庭出身の飯田君。
うーん、我ながら安定志向。
「リョウ、俺のチームに入れ。」
焦凍からチームに誘われた時、嬉しかったけど、正直少し驚いた。
なんというか、こんなときに言うものなんだけど、
最近あまり話していなかったから勝手に気まずさを感じてしまう...