第9章 宣戦布告
*主人公side
控室から競技場へと向かう道を歩いていると、
会場の方からプレゼント・マイクの司会の声と、
ザワザワとした歓声が聞こえてくる。
ああ、いよいよ始まるんだ。
私は、少し前を歩く勝己の背中をグーで軽く殴った。
さっきのお礼の気持ちを込めて。
「あ?」
『さっき、ありがとね。
おかげで緊張がふっとんだよ。』
「....ハッ、せいぜい俺の引き立て役としてもがきやがれ」
少しずつわかってきたけど、
これは彼なりの優しさなのだろう。
私は心地よい高揚感を胸に、競技場に入場した。