第8章 名前を呼んでよ
*主人公side
『実際、私も個性発動中は身体能力がアップするんだよね。
でも、結局は器のキャパシティ次第だから、酷使しすぎると、
筋肉疲労に絶えられなくて寝落ちしちゃうんだ。
さすがにデクくんみたいにボロボロにはならないけどね。』
「すごい....すごいよ、すごく勉強になるよリョウちゃん!
ありがとう!」
「ちょっと難しくて何言ってるかよくわかんなかったわ」
『上鳴とはお互いの強み・弱みが違う分、
いろいろと研究したいなと思ってたんだよね!
今度チームアップの練習してみようよ。』
「おっ、デートの誘いか?いいぜ!」
デートじゃねぇ
上鳴、良いやつだけどチャラいなぁ....
『というか、体育祭前だからあまり個性のことバラしたくないんだった!
ここからは企業機密です。』
そんなこんなで、ひとしきり盛り上がった放課後の談話はお開きになり
私は自主練をするべく、帰路についた。
この後、クラスのみんなとは日に日に仲良くなれたけれど、
気がかりだった焦凍とはあまり話すことができず、
心に少しの蟠りを抱えたまま
ついに体育祭当日を迎えるのだった。