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電撃少女はヒロインになりたくない

第8章 名前を呼んでよ


*主人公side




体育祭数日前。

先日、普通科の心操くんを始めとする他クラスの生徒からの大胆な宣戦布告を受けたこともあり、クラスの雰囲気は少しずつ緊張感が増してきた。


特に、焦凍はここ最近ずっと思いつめたような顔をしていて、
学校で話しかけても何だかそっけない気がする。(元々愛想は良くないけど)

実際、この前家に遊びに来た日以来、2人でゆっくりと話せていない。
あの一件でかなり仲良くなれたと思っていたから、
なんか寂しいなぁ....





「てめぇ、殺されてぇのか?」




放課後。
なんとなくモヤモヤしていた私は、勝己の後ろの席に座って、彼の髪の毛で遊んでいた。
ツンツンしているように見える髪の毛は意外と柔らかくて触り心地が良い。
本人には言えないけど、犬を触っているような気分になる。






『怒んないで〜。今日は癒やされたい気分なの〜。』



「3秒以内にやめねぇと殺すぞ」




勝己は、私の方を振り向きもせずに、手のひらだけを後ろに向けて爆破をほのめかす。

私の顔を覆わんとする大きな手からは、アーモンドのような甘い香りがした。
そういえば、勝己の個性は、ニトログリセリンのような汗を分泌することで爆破できるんだっけか。





『...良い匂い』



「嗅ぐんじゃねぇ変態女!」



『いつも思ってたけど、勝己ってこんなに乱暴なキャラなのに、個性のせいで甘い匂いするよね!
可愛いとこあるじゃん!!』



「てめぇ表出ろコラ」




無駄絡みし続けていたら、
振り向きざまに片手で両頬をムニっと掴まれた。


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