第6章 猫とクラスメイト
*主人公side
USJ襲撃の翌日。
渦中の生徒のことを配慮して臨時休校となったが、どうしても昨日のことを考えてしまってなかなか気が休まらなかった私は、気晴らしに近所を散歩することにした。
幸いにも天気は良くて、頬を撫でる柔らかい風と、ぽかぽかとした日差しが気持ち良い。
明日からの学校生活に向けて、気持ちを切り替えていかないとな。
『....あれ、焦凍?』
すっかり見慣れた紅白頭が視界に映る。
彼は、道の脇にしゃがみこんで、何やら下を見ていた。
目線の先を辿ると....
『猫だ!!』
「...リョウ。」
焦凍は一瞬だけ私に一瞥をくれ、すぐに猫に目線を戻した。
どうやら目の前の猫に夢中らしい。猫、好きなのかな。
気のせいかもだけど、いつもより表情が柔らかい気がする。
焦凍にお腹を撫でられている猫も、なんだか嬉しそう。
『...元気?』
「いつも通りだ。」
『相変わらずだなぁ....そういう時は元気って答えときゃ良いの!』
「元気だ」
『よろしい』
焦凍の隣にしゃがみこんで、猫を撫でながら会話を投げかける。
猫は太陽の日差しで暖かくて、柔らかい毛は触り心地が良かった。
『...少しだけ、一緒にいてもいい?
一人でいると、どうしても昨日のことを考えちゃって』