第3章 スタートライン
*轟side
「.....仲良いのか?あの爆破の個性のやつと。」
『あー...仲良いっていうか....実質1人目の雄英フレンドかな!
私ね、つい3ヶ月前まで海外にいたんだけど、雄英に進学することが決まってから帰国して。
最後の3ヶ月だけ、勝己と同じ中学に通ってたんだ。
まさか高校で同じクラスになるとは思ってなかったけど。』
「そうか」
『それがどうかした?』
「.....焦凍。」
『へ?』
「焦凍だ、俺の名前。まだ教えてなかっただろ。」
『.....!しょうと....うん、良い名前だね。えへへ。』
「変な奴だな。人の名前を聞くのがそんなに好きなのか。」
『ちがうよ〜、今朝轟くんに話しかけたとき、名前聞きそびれちゃったなぁって思ってて。
まさか同じ日にこうやって話せると思ってなかったから、嬉しいなぁって。』
夕日の中で無邪気に笑うこいつを見ていると、なんだか妙な気持ちになった。
今までに味わったことのない感情だ。
俺はプロヒーローを目指して雄英高校に進学した。
学校の奴らと馴れ合うつもりなんざさらさら無い。
ただ....
今日出会ったばかりのやつにこんな感想を持つのも変な話だが、こいつとの帰り道は、少しだけ、居心地が良いと思ってしまった。