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電撃少女はヒロインになりたくない

第23章 噂


*主人公side




「やるじゃねぇか、爆豪」


「おいおい、隅におけねぇなー!」


「いやぁ、私達もびっくりしたよね!
勉強会中に2人だけでいちゃつき始めるんだもん」



なんてことだ。
ここに来てまさかの裏切り。
あの時は私が勝己にからかわれてただけで、なんなら喧嘩が勃発する直前だったってこと、みんな知ってるはずじゃない...!


だめだ、完全におもちゃにされてしまった。
高校生だもんね、そりゃみんな色恋沙汰大好きだよね...!



「橘さん、仮にもヒーロー科の推薦入学者でしょ?
意外と男の趣味悪いんだねぇ。
確かに体育祭では活躍してたかもしれないけど、あんな乱暴なやつが好みだったなんて。」



A組陣営の思わぬ裏切りにより、物間くんは更に勢いを増す。
いつも止めに入ってくれる拳藤ちゃんも、今日に限ってはニコニコして事の経過を眺めている。
ダメだ、完全に恋愛話を楽しむ女子の顔だ...!



ふと視線を感じて振り向くと、焦凍と目が合った。
一瞬で晒されたしまったけど、彼は何事もなかったかのように涼しい顔をして蕎麦をすすっている。

ああ、上手く言葉にできないのだけど、焦凍には変な勘違いされたくないなぁ。
もっとも、彼にとってはクラスメイトの人間関係なんてどうでも良いのだろうけど。

ちなみに、焦凍の隣のデクくんは顔を真っ赤にして私と勝己を交互に見ている。
私が言うのも何だけど落ち着いてくれ。




物間くんを中心に騒がしくなったこの場を諌めたのは、
もうひとりの当事者、勝己の一言だった。

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