第20章 イヤホン
*主人公side
『なんかこういうの、”高校生”って感じで楽しいね〜!』
相澤先生からヒーローインターンの話を聞いた日の放課後。
私は、小テストのために勉強を教えて欲しいと頼まれたので、クラスメイト達と一緒に学校の近くのカフェに来ていた。
今日のメンバーは、勝己、鋭児、上鳴、芦戸ちゃん、耳郎ちゃんだ。
「なんで俺まで付き合わなきゃなんねーんだよ」
「文句言うなよ爆豪、リョウに腕組んでファミレスに連れてきてもらえるなんて、どんなご褒美だよ。絶対嫌がる演技してるだけだろ。」
「演技じゃねぇ。自分の意志に反して拉致されそうになったら、全力で拒否するに決まってんだろうが。」
「だからって、道ばたで個性フル活用で喧嘩しようとすんのまじでやめてよ。
ただでさえあんたら、体育祭効果で目立つってのにさ...」
「うるせぇ。俺の自主練の時間を奪う価値がてめぇらにあんのか?」
『勉強教えて欲しいって言われたんだもん。
この人数相手に私ひとりじゃちょっと心許ないでしょ。』
「ザコが。俺の助けがねぇとなんにもできねぇのか。」
そこまでは言ってねぇ。
ただ、”クラスメイトに勉強を教える”というミッションを達成するには、成績優秀者の勝己がいてくれた方が心強いのは間違いないので、むかつくけれどここはグッと堪えよう。