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電撃少女はヒロインになりたくない

第18章 特別講師


*轟side




「はじめまして、橘ルイです。」



その男は穏やかな笑顔を浮かべ、落ち着いた声で自分の名前を言った。
上手く言葉にはできないが、妙な貫禄があり、ざわついていた教室が一瞬で静まりかえった。
教室内に漂う緊張感を全く気にしない様子で、男は話を続ける。


こいつの苗字、橘って...
リョウと同じ...?




「オールマイト、自己紹介って具体的に何言えばいいの?
普段高校生と話すことなんてあんまりないからわかんないんだけど」


「なんか、普段の職業とか、個性とか、趣味とか、好きな食べ物とか、人柄が伝わるようなことをいい感じに伝えて!」


「リョウの兄です」


「よりによってそこ?」


「まって、今リョウの兄って...」


「普段は海外の研究機関で個性研究をしたり、気が向いたら大学の教授をしたりしています。
個性はIQと超記憶。まぁ、一言でいうと"天才"ってことです。
個性研究に関しては、この世界では僕以上に詳しい人類は存在しないと思ってもらって大丈夫です。よろしく。」



自身の自己紹介に対する教室内のざわつきをものともせず、男は淡々と自己紹介を済まし、教室を出ていった。
教室に入ってきてわずか数分間で理解できるくらいに、恐ろしいほどのマイペース具合だ。



「ああっ、まってよ橘少年...じゃないや先生!

みんな、聞いての通り、橘先生は個性に関する専門家だ!
君たちの個性を更にプルス・ウルトラさせるためのアドバイスをしてくれるぞ。困ったことがあったら、気軽に相談していいからな!それじゃっ!」



オールマイトは駆け足で説明を終わらせ、男を追って教室を出ていった。

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