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電撃少女はヒロインになりたくない

第18章 特別講師


*緑谷side




「はっはっは、よく来たね、緑谷少年!」




これは一体、どういう状況だ。

お昼休みにオールマイトに呼び出されたと思って部屋に来てみたら、
ソファには2人の先客が座っていた。

1人は、頬杖をつき、不機嫌そうな表情を浮かべるリョウちゃん。
いつでも天真爛漫な彼女が、珍しく眉間にシワを寄せている。
本人に言ったら怒られそうだけど、その姿は、拗ねた子供のようだ。


そして、その隣に座るのは...
今朝、リョウちゃんと一緒に登校していた男の人。
先程まで着ていたスーツの上に、白衣を羽織っている。
遠目に見た時は物間くんだと思っていたけど、どうやら別人だったらしい。

顔は、それこそコピーしたかのようによく似ているのだけど、近くで見ると、物間くんよりもかなり大人びている。
髪の毛を片耳にかけていて、男の僕でも色気があると思ってしまうほど、その佇まいは魅力的だ。

男性は、足を組み、リョウちゃんの肩に腕をまわしながら、
据わった目で僕をじっと観察してくる。
とても居心地の悪い──体育祭の時の、轟くんのような冷たい威圧感。




「え...っと、オールマイト、これはどういう状況なんでしょうか....」


「紹介するよ。
こちら、この度雄英高校の特別講師として赴任してきた、橘先生だ。」


「特別講師...?」


「やぁ、橘ルイだ。よろしく。」



特別講師と紹介された彼が立ち上がり、僕の方へスッと手を差し伸べてきた。
座っていたから気付かなかったけど、立ち上がるとかなりの高身長だ。

僕は、ぎこちなく握手を返しながら、たった今聞いた名前を反芻した。
この人に会うのは初めてだけど、どこかで聞いたことある名前だな...

橘ルイ、橘ルイ....


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