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電撃少女はヒロインになりたくない

第17章 隣の男


*主人公side



『もう〜〜〜お兄ちゃん、きっと不審者だと思われて生徒に通報されたんだよ!面倒なことになる前に早く帰って!
オールマイト、違うんです、これは不審者じゃなくて私の兄で...っ!』


「久しぶりだな、橘少年」


『....は?』


「やぁ、オールマイト。本当に教師なんてやってんだね〜、笑える。」


「随分大きくなったじゃないか。目元がお父さんに似てきたな。
君の活躍は各方面から聞いているよ。」


「そうなんだよね〜、相変わらず、自分が天才すぎて困っちゃうよ」




なになに、どういうこと?
なんで昔からの知り合いみたいな雰囲気なの?
なんで笑顔で握手してるの?



「はっはっは、どうした橘少女。
まさか、お兄さんから何も聞いていなかったのか?」


『....そのまさかなんですが』



私は、隣のお兄ちゃんを睨みながら答える。



「いや〜、サプライズの方が嬉しいかなと思って?
こっちに来ることも、昨日の夜に伝えたんだよね〜!」


「全く...君も人が悪いな、橘少年。
まぁ良いだろう、せっかくだから、私から改めて全部説明することにしよう。
ここで立ち話するのも何だから、中に入ろうか。
君は少し目立ちすぎてしまうね。」


『....』


「あなたが言えたことじゃないでしょうに。
さぁさぁリョウちゃん、そんなところで突っ立ってないで移動するよ。
それとも、お兄ちゃんにお姫様だっこしてほしいのかな?」




お兄ちゃんに、困惑する私のことを気にかける様子は一切ない。

なんてことだ。
半年ぶりに再会したと思ったら、数時間後には早速こいつのペースに巻き込まれてしまっている。

いつもの調子で軽口を叩く能天気さが、今は無性に腹が立つ。



『...ひとりで歩けるから』



お兄ちゃんの手を払いのけ、
私はオールマイトの後に続いた。

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