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電撃少女はヒロインになりたくない

第3章 スタートライン


*主人公side


春!入学式!
いよいよ今日から、私の雄英高校ライフが始まる。


3ヶ月前に日本に帰国した私は、中学校に通う間は一時的に祖父母と暮らしていたのだけれど、高校進学をきっかけに一人暮らしをすることになった。


新しい環境、新しい制服...
胸を躍らせる私の目の前には、雄英高校が堂々とそびえ立っている。



意気揚々と校門をくぐると、見覚えのある人物が視界に映った。
気怠そうな雰囲気に、風にサラサラとなびく特徴的な髪型。




『ねぇ君、どこかで会ったことない?』


「.....さぁ」


うう、やらかした。
勢い余ってナンパ野郎みたいな声のかけ方をしてしまった。
案の定怪訝な顔をされちゃったよ....

いや、でも確かに見覚えがある。
白色と赤色の髪の毛、綺麗なオッドアイ、そしてこの端正な顔立ち....



『あっ!思い出した!ヒーロー科の推薦入試の時だ!氷の!』


「....あぁ」



ピンと来てない顔してる...
絶対私のこと覚えてないな。



『私も同じ推薦入学者なんだー!また会えて嬉しい!
橘リョウです!よろしくね!!
ねぇねぇ、その髪の毛って染めてるの?それとも個性の影響なの?』


「...轟だ。地毛だ。」



勢いよく握手をした私を不思議そうに見つめてくる彼の顔は、とても整っているけど、どこか表情が暗い。



『.....綺麗な目』


「?」


『オッドアイなんだね、すごく綺麗。』


「....」



あれれ、目をそらされてしまった。
何か気に触ること言っちゃったかな。
思ったことをすぐ口に出してしまう癖、どうにかしないとな...




『と、轟くんだっけ、クラスは何組だった?私はA組!』


「...俺も」


『やったぁ同じだー!一緒に教室行こうよ!』


「.....あぁ」




教室に着くまでの間、私が一方的に話し続けちゃったけど、轟くんはなんやかんや相槌を打ってくれていた。
一見冷たそうに見えるけど、実は優しい人なのかもしれない。

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