第16章 女子会
*主人公side
「リョウちゃん!?」
「橘さん、大丈夫ですか!?ご家族に何か...?」
『....来るって』
「え?」
『.......お兄ちゃん、日本に来るって』
「えー!良かったじゃん!感動の再会ってやつだね!」
「もー、なんか悪いことが起こったかと思ったじゃん、安心したよ〜!」
『ご、ごめんねみんな...あまりにも突然のことでびっくりしちゃって』
「いつから来るの?」
『明日』
「明日ぁ!?急かよっ!」
「リョウちゃんのマイペースはお兄さん由来なのね」
『いや、お兄ちゃんのそれは私なんかの比にならないよ...』
「ってことは、近々リョウちゃんのお兄ちゃんに会えるんだね!」
「絶対イケメンじゃん!楽しみ〜!!ちゃんと紹介しろよな!!」
気持ちの整理がつかず、脳がグラグラと揺れる感覚。
無邪気に騒ぐクラスメイト達の声が遠くに聞こえる。
『あんなに日本には興味ないって言ってたのに、どういうつもりなの...!』
体育祭が終わり、ようやく和やかな日常が戻ってきたと思っていたのだけれど...
どうやらそれは勘違いだったらしい。
この時私が感じていた悪い予想は、
後に的中することになる。