第12章 雄英体育祭
~轟 Side~
俺らより先に緑谷と葵がゴールした。俺は黙ってあいつらを見ていると、葵が苦しみだした。
俺は心配になって葵の元によると、胸を押さえ過呼吸状態だった。
人混みに流されたあの時より今の方が何倍も死にそうな顔をしていた。葵の呼吸が止まったと思ったら、そのまま倒れた。
『っ、葵!』
そう呼び掛けても何も反応しない。ミッドナイトが搬送ロボットを呼び葵を運んでいった。
「鼎姉…………………」
運ばれている最中、あいつの口から苦しそうに呟かれた。鼎?一体誰なんだ?
俺は葵の事を心配しながら、あいつが呟いた、鼎という言葉が頭から離れなかった。