第12章 雄英体育祭
体育祭本番。
控え室で焦凍が出久に宣戦布告し、少しピリピリした空気になったが、ウチはそんなこと気にならないほどの問題に直面していた。
ヤバイ、薬飲み忘れた。いや正確には薬がきれたが正しい。
ウチは普段から死神の力を抑えるため、ある医師からもらう薬を飲んでいる。その薬をよりによって昨日の分で無くなってしまった。
毎日飲んでいるから飲まなかった場合どうなるか分からない。けど、ここまで来たんだ今さら棄権するのも嫌だ。
そうして、入場が始まった。
主審のミッドナイト先生が前に立ち、勝己が選手宣誓をした。
ウチらの事を巻き込むことは変わらないけど、どこか自分を追い込んでいるように見えた。
ミ「さーて、それじゃあ早速第1種目に行きましょう!」
そして、出てきたのは障害物競争だった。ルールはコースさえを守れば何をしたって構わないということだ。
開始の合図が鳴る。大勢の人達が狭い入口を走っているが、それじゃダメだ、もうすでにこのスタート地点が最初のふるい。
ウチは少し待ち様子を見ていた。案の定、焦凍が個性で足場を凍らし、先頭にでた。
『予想通り…(ボソッ
……………“浮け”』
ウチは自分の体を浮かし集団の上を通っていった。