第2章 邂逅
~葵 Side~
あぁ、主が何か命令してる。従わなきゃ、そうじゃないと、私の存在している意味が無くなってしまう。
外から、音がする。それと、大きな笑い声と「私が来た!」という言葉
?「ようやく見つけたぞ!ヴィラン!!さぁ、大人しく捕まりなさい!」
主が捕まって、どこかへ連れていかれる。
私は、ただそれを見ていた。目の前に広がる光景をただの映像のように。
すると、前から一人の女性がやって来た。見た目は、暖かそうなオレンジの髪、光を彷彿させるような黄色の目。
その人は、私の目の前に来ると
?「あなた、大丈夫?どこも怪我してない?もう安心して良いからね。ヒーローが助けに来たから。」
その人は、優しい笑顔を私に向けてくれた。
?「カナエくん、そちらの様子はどうかな?」
さっきの、男性が女性に話しかけていた。
この人はどうやら、“カナエ”という名前らしい。
カ「オールマイトさん!実は、さっきこの子を保護したんですけど」
この男性の人は、“オールマイト”というのか。と、思っていたら、カナエという人が私の背中に手を添えてオールマイトという人の前にそっと私を移動させた。
目の前に、大きな巨大な壁が出来たと思うほど彼は大きかった。けれど、私は彼のことを怖がったりしなかった。
それは、彼と彼女がヒーローだったからということではなく、ましてや、ヴィランから解放されて安心していることではない。
何も思わなかったからだ。私には、感情が無い。
ただ、目の前にいる彼を見ていたら
オ「さっきの人は君の両親かな?」
と、聞いてきた。もちろん、両親ではない。
それを、答えるためには、一つ聞かなければいけないことがある。
『それは、ご命令ですか。』