第3章 名前
~鼎 Side~
その子は、私の腕の中で泣き疲れたのか眠ってしまった。こうやって、近くで顔を見ると、さっきの無表情が嘘かのように、幼さが残っていた。
『ふふっ、可愛い。』
私は、その子を抱き抱えてある人のところへ向かった。
ピンポーン
インターフォンを鳴らし、ある人が出てくるのを待つ。
?「はーい、どちら様でしょうか。」
と、扉を開けてくれた。
『オールマイトさん!』
オ「カナエくん!?どうしてここに!?っと、それよりも速く中へ入って君、コスチュームのままじゃないか!」
『えへへ、すみません。お邪魔させていただきます。』
そのまま部屋に入り、椅子に座り、抱き抱えて来た子の頭を私の膝の上に乗せた。
オ「はい。お茶。」
『ありがとうございます。』
目の前にいるオールマイトさんは、いつもテレビで見るような筋肉マッチョではなく、頬も痩せこけた人がいる。
この姿を知っているものは、わずかで、さらに、オールマイトさんの個性ワンフォーオールを知っているのは、私を含めてまたさらに限られた人だけだ。
オ「ところで、どうしてこんなところへ?と、聞きたいんだが、十中八九その子のことだろう?」
『さすが、オールマイトさん。そうなんです。この子ことで相談というか話したいことというか。』
私は、少し息を吸ってこう言った。
『この子を、私の家族として保護することは、可能ですか?』