第13章 職場体験
エンデヴァーはウチから顔を離した。
エ「昔、知人が言っていた子供に似ていると思ったが、どうやら違うようだ。
……そもそも、体育祭序盤で倒れる様な奴がヒーローになれるとは到底思えんがな。」
轟「こいつの事を悪く言うんじゃねぇ。」
焦凍は声音を低く言った。
『焦凍、いいよ。事実だし。それに………』
ウチはエンデヴァーと向き合った。
『ヒーローになる、ならないを決めるのは貴方じゃない。それを決めるのは世の中だ。けど、その世の中には貴方も含まれている。
今回の職場体験で力を付け、まずは貴方に私がヒーローになるという事を言葉だけではなく行動で示して見せます。』
ウチはエンデヴァーを見た。
エ「(力強い眼……。やはり彼女に、鼎にそっくりだな。)
フンッ、まぁいいだろう。二人ともついてこい。」
轟「ついていくって何処に?」
エ「前例通りなら保須に再びヒーロー殺しが現れる。しばし保須に出張し活動する。
今すぐ市に連絡しろ!」
エンデヴァーは事務所の人達に言う。
『行こ、焦凍。エンデヴァーが、彼がNo.2と言われている事実をこの眼に焼き付けるために。』
轟「あぁ。」
そう返事はするものの焦凍は何か言いたそうにこちらを見る。
『?、何かあるのか?』
轟「……今回の職場体験に葵が一緒にいて良かったと思ってる。
お前が傍にいてくれるお陰で俺はアイツと、家族と向き合えるんだ。」