第4章 月の落としもの|ナダイア
今日はナダイアが私の部屋に来る
いつもより念入りに掃除をして、ピッカピカだ
コンコン… …ガチャ
「ナダイア!おかえりなさい。」
「ああ、今戻った。」
神官長のナダイアは毎日忙しい
特にここ最近は色んな神官の悩みも
聞いているみたいで休みが殆ど無い
しょうがないかもしれないけど…
やっぱりナダイアの体が心配だ
疲れ気味の彼にダージリンティーを入れて
ソファーにくっついて座りながら、
たわいもない話をしていると
突然彼から
「○○、お前にこれを。」
そう言って差し出したのはネックレス
彼の綺麗な髪と同じ色のパールが
真ん中にちょこんとある
シンプルだけど、とても綺麗なネックレス
「私に?こんな素敵なのいいの…?」
驚きの余り固まっている私を見て彼が
「フッ…お前に似合うと思っていたら、
つい買っていたんだ。ほら、着けてやろう。」
ネックレスを私の手から受け取ると、後ろへとまわった
… …カチャ
「ナダイア…ありがとう。嬉しい…!
とっても可愛い!毎日着けるね。」
「そうしろ。よく似合っている。
やはり私の予想は正しかったな。」
頭を優しく撫でてくれるナダイア
厳しい時もあるけど、そんな所を含めて彼の事が
「ナダイアー…大好き。」
自分の気持ちを素直に口にしてみると、
ちょっぴり恥ずかしいなあ…
なんて思いながら彼の方を見ると
ほんの少し驚いた表情をした後に
「まだまだな、私は愛しているぞ。」
なんて嬉しい事を返してくれたから、
お礼にぎゅーーっと抱きしめて
ぬるくなったダージリンティーを飲みながら
久しぶりのナダイアとの幸せな時間を過ごした
ーーー後日
「○○、毎日着けているんだな。
よく似合っている。」
よしよし、と頭を撫でくれた
会うたびに褒めて頭を撫でてくれるのが
お決まり事になってて、
嬉しさの余り
思わずにやけてしまうまでがセットだ
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