第9章 であい
ばさっ
「苦しかった!やっぱり自分の服が1番だよ····(でも白ドレス綺麗だったな···)」
たたみたたみ
(返さないとね。···やっぱり私は魔界の住人なんだな···)
着替えながら鏡を見る
首筋に確かに魔界のシルシついている
ぴとっ
(クッキー焼くことが私の役目··みんなの笑顔を見たいから···せめていつか戻ったとして、···無理なんだよね)
顔を上げると涙が浮かぶ私の顔が写っていた。
ぱちん
(しっかりしなさい。せめて魔界でもクッキーを焼けるか聞いてから泣きなさい)
「妻よ」
びくくぅ
「ひっ!」
「そんなに驚いて可愛いですね我が妻よ」
「···すみません」
『······』
(やっぱりこの人は吸血鬼なんだな··色白で赤い目···だけど目が離せない)
(やっぱり連れてきてよかった、深いふかい海色··今までのエサとは違う)
「妻よ、まだ貴女の名前を聞いて無かったね。」
「はい··私は天音··小吹天音です」
「いい名だ、天音」
どきっ
「ーー!」
ふわっ··
(この匂いだ、ふわふわして)
コッコッコッ、
(近寄ってきてる!何かされる!?)
くいっ
「我が吸血鬼は人の血を飲み生きますが主である私は人の血と···」
近づく顔
赤い目から離れなくて···
「キスだけでも生きれますよ」
ちゅ